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気管虚脱
気管虚脱
気管虚脱とは、気管が変形した為に咳や呼吸困難が引き起こされる、呼吸器疾患です。
中高年の小型犬や短頭種に多い病気です。
原因
気管は通常、その周囲を軟骨や筋肉が取り巻いていて、呼吸をしやすいように筒状の形をしています。しかし、気管虚脱になると、その気管が押しつぶされたような形に変形して、正常な硬さや弾力もなくなり、呼吸をする時に咳や呼吸困難を起こしてしまうのです。
主な要因は、次の3つです。
・遺伝的要因
産まれた時から、先天性の気管の異常があった時。
・肥満、または短頭種の犬
肥満になると、気管の周りを取り巻く脂肪が気管を圧迫するため、気管虚脱の発症率が高くなります。
また、短頭種の犬はもともと鼻の穴が狭く、さらに首や胸がぎゅっとつまった体型なので強く呼吸をしないといけないことが多く、そのために肥満の犬と同様に常に胸部に負担がかかりやすい状態にあります。
・呼吸器疾患・心臓疾患の影響
心臓疾患や慢性気管支炎など、別の病気による咳や過呼吸が原因となって、気管虚脱を発症することもあると考えられています。
症状
気管虚脱の主な症状は、呼吸に合わせて出る「アヒルの鳴き声」のような、乾いた感じの空咳です。苦しくなってくると舌を巻くようにして呼吸します。
咳が苦しくなるほど、犬は懸命に呼吸をして酸素を取り込もうとするため、気道内の通常の気管部分と気管虚脱部分の酸素圧差が広がり、よけいに苦しい状態となってしまいます。
重度の呼吸困難が続くと、舌が黒紫色になりチアノーゼ(酸素欠乏状態)となり、この状態が長く続いて治療が遅れると、失神して倒れたり、救命できても脳や肺に回復不能な障害を残してしまう場合があります。
治療法
X線検査などによって診断が行われます。
治療は、多くの場合内科的療法が取られ、気管支拡張薬、副腎皮質ホルモン、抗生物質等の投与によって症状をコントロールしていきます。
しかし、一度変形を起こした気管は元に戻らないため完治は出来ず、生涯治療を続けていくことになります。
また、内科的治療と同時に、運動の制限や食餌療法による肥満の解消、高温環境の回避など、咳のきっかけとなるものや呼吸器への負担を減らします。
外科的療法として、つぶれた気管の周りにコイルを巻く手術法もありますが、高齢犬であれば手術の負担が大きく、合併症が起こりうる大変難しい手術です。
予防法
遺伝的要因や老齢による気管の変形がきっかけで発症することが多いため、必ず予防できる病気とは言い切れません。しかし、咳のきっかけとなる呼吸器系や心臓系の予防、肥満などによる気管への負担を少なくすることで、発症の可能性を少なくすることはできます。
・食餌療法で肥満を解消することで呼吸器への負担を減らしましょう。
・夏の蒸し暑い時期には特に気をつけましょう。エアコンなどで室内の温度を調節したり、過度の運動や興奮などに気をつけましょう。
・散歩中の首輪は気管部分を直接圧迫するため、咳が出る場合は首輪をやめて胴輪(ハーネス)に変えましょう。
かかりやすい犬
中高年期で肥満気味の小型犬(チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、トイ.プードルなど)や短頭種犬(パグ、シーズー、ポメラニアン、ペキニーズなど)に多いと言われています。
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